外国人が日本で一人親方として独立するための“前提条件”|在留資格取得・変更申請について

更新日 / 2025.9.01

あなたの腕には確かな技術がある。現場でも頼られる存在になり、そろそろ「独立してもっと稼ぎたい」と考え始めている――そんなあなたにとって、「一人親方」として働く道は、家族の未来を変える大きな一歩かもしれません。

でも、日本で一人親方になるには、在留資格・ビザ・税金・保険・契約など、乗り越えるべき“制度の壁”がいくつもあります。知らずに始めてしまえば、取り返しのつかないリスクにつながることも。

本記事では、外国人として日本で一人親方になるために必要なすべての情報を、制度面・手続き面・実務面にわたって一つひとつ丁寧に解説します。

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最初に確認すべき「在留資格」の種類と制限

外国人が日本で一人親方として独立するために、まず確認すべきは「在留資格」です。
現在の資格によって、独立の可否が大きく異なります。「永住者」「日本人の配偶者等」「定住者」などの在留資格を持っている場合、原則として自由に職業を選べるため、一人親方としての独立が可能です。
一方で「特定技能」や「留学」「家族滞在」などの資格では、独立はできません。特定技能はあくまで雇用契約が前提であり、請負契約となる一人親方という働き方とは制度上相容れません。

「特定技能」では独立できない?今のままでは難しい理由

「特定技能」は雇用主と労働契約を結ぶことを前提とした在留資格です。
そのため、自分で仕事を受ける「一人親方」はこの制度の対象外となり、現状のままでは独立はできません。もし独立を考えるのであれば、別の在留資格への変更が必要になります。

就労制限なしの在留資格に変更するには?

一人親方として合法に独立したい外国人にとって、現実的な選択肢は「就労制限のない在留資格」への変更です。

たとえば、「永住者」「定住者」「日本人の配偶者等」といった資格は、就労制限がなく、業種を問わず働くことができます。これらの資格に変更できれば、現場作業を伴う一人親方としての独立も可能になります。

永住者や定住者への変更には要件がある

就労制限のない資格へ変更するには、一定の滞在年数や安定収入、納税状況、素行の良好性などが求められます。

たとえば永住許可には「原則10年以上の在留歴」や「直近5年間の継続的な就労・納税」などが必要です。

条件を満たしていない場合は、まずは現在の在留資格で実績を積み、変更の準備を進める必要があります。


「就労制限のない資格」への変更を目指す上での注意点

安定収入の証明がカギ

在留資格変更の審査では、安定した収入があるかどうかが重視されます。

そのため、日雇いや短期契約が多い場合は不利になることも。なるべく継続性のある雇用形態や請負契約を重ね、安定性を示す資料(源泉徴収票、通帳コピーなど)を準備しましょう。

納税・保険・素行面も評価対象に

住民税・所得税の滞納があると審査に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、国民健康保険料の支払い状況や、交通違反・犯罪歴などもチェックされるため、日頃から真面目な生活を心がけることが重要です。

専門家に相談することで成功率アップ

在留資格変更の手続きは専門性が高く、書類も複雑です。

行政書士などの専門家に相談することで、自分の状況に合った戦略や書類作成のサポートが受けられ、許可の可能性も高まります。

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開業後に必ず行うべき行政手続きと社会的信用の築き方

「開業届」と「青色申告承認申請書」は同時提出が基本

個人事業主になるには、税務署に「開業届」を提出する必要があります。
また、節税のためには「青色申告承認申請書」も同時に出すのが基本です。開業から2か月以内が期限なので注意しましょう。

事業用口座とインボイス登録で“プロの顔”を作る

口座は生活用とは別に、屋号付きのものを開設すると信用度が高まります。
インボイス登録を行えば、消費税の取引先控除が可能となり、元請けからも信頼されやすくなります。

独立後に発生する税金の種類とスケジュール

個人事業主は、所得税・住民税・個人事業税・消費税を自ら納税します。
それぞれ申告・納付の期限が異なるため、早めのスケジュール把握と準備が重要です。

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ケガ・病気・トラブルへの備え:一人親方に必要な保険と契約の知識

「労災保険特別加入」は絶対に外せない

仕事中のケガに備えた「労災保険」への特別加入は、一人親方にとって不可欠です。
加入は一人親方団体などを通じて行います。

仕事中の事故・報酬未払いを防ぐ「契約書」の基本

業務範囲・報酬・支払日・トラブル時の責任などを明記した「業務委託契約書」を交わすことが、自分と家族を守ることにつながります。

領収書と帳簿の管理が将来を守る

領収書は月ごとに整理し、帳簿とあわせて7年間保管することが望ましいです。
青色申告を活かすためにも、記録の整備は必須です。


仕事を得るには?外国人でも活用できるマッチングサービス

助太刀・ツクリンク・クラフトバンクなど主要サービスを比較

建設業向けマッチングサイトは、新たな元請けとの出会いを生む重要なツールです。
スマホ対応やプロフィール作成のしやすさなど、自分に合ったものを選びましょう。

CCUS(建設キャリアアップシステム)で信用を見える化する

技能・経験を客観的に可視化できるこの制度への登録は、今後の仕事の受注や信用構築に役立ちます。

人脈が少なくても営業できる仕組みを持つことが大切

特に日本での人脈が少ない外国人にとって、ネットワークを自力で構築するには、デジタルツールと戦略的なプロフィール運用が欠かせません。


一人で悩まないために:頼れる専門家・公的支援の使い方

行政書士・税理士・弁護士に頼るべきタイミング

ビザ、税務、契約トラブルなど、それぞれの専門分野に応じてプロに頼ることが、最短で安全に進む近道です。

公的機関による無料支援もある

東京開業ワンストップセンターや中小機構など、外国人向けの無料支援窓口を活用することで、初期コストを抑えつつ必要な手続きを進められます。

「費用が不安」な人ほど、最初に専門家に相談すべき理由

誤った手続きは、時間や費用のロスにつながります。
初期段階で正しいアドバイスを得ることが、結果的に最も経済的な選択です。

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よくある質問(FAQ)

Q. 特定技能ビザで独立できますか?

A. できません。特定技能は雇用契約前提の資格であり、一人親方(請負契約)としての活動はできないためです。

Q. 日本語に自信がなくても独立できますか?

A. 可能ですが、事業計画書や契約書などの作成には正確な日本語が必要になるため、行政書士などのサポートを受けることを強くおすすめします。

Q. 会計処理や税務申告はすべて自分で行う必要がありますか?

A. 自力で行うことも可能ですが、青色申告の複式簿記などは難易度が高いため、税理士や会計ソフトの導入を検討すると良いでしょう。


まとめ:この国で、腕一本で道を切り拓くために

外国人でも、制度を理解し正しい手順を踏めば、日本で一人親方として独立することは可能です。
「在留資格の確認」「ビザ取得」「行政手続き」「営業と信用構築」「保険と契約の備え」——すべての工程を一歩ずつ着実に進めていけば、あなたの腕は“個人の力”から“事業主の力”へと進化していきます。
家族を守るために、道を拓く。その決意こそが、最初の一歩です。

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監修者からメッセージ

一人親方労災保険組合顧問 覺正 寛治

一人親方労災保険組合顧問覺正 寛治かくしょう かんじ

一人親方に安心安全を提供したい

静岡大学法経学科を修業後、1977年4月に労働省(現厚生労働省)入省。2002年に同省大臣官房地方課課長補佐(人事担当)、2004年に同省労働金庫業務室長を歴任し、2007年に同省鹿児島労働局長。退官後、公益財団法人国際人材育成機構の常務理事、中央労働金庫の審議役を経て、2017年4月に現職。

厚生労働省では「地下鉄サリン事件」「阪神淡路大震災」「単身赴任者の通勤災害」の労災認定や「過労死認定基準」の策定などを担当し、労災保険制度に明るい。一人親方労災保険組合顧問としては、一人親方が安心安全に働けるよう、これまで培った労災関係業務や安全衛生業務の経験を生かして労災保険特別加入制度の普及や災害防止活動に取り組んでいる。

一人親方労災保険組合の労災保険特別加入手続き対象地域

北海道北海道、青森
東北宮城、岩手、秋田、山形、福島
関東東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、栃木、静岡、山梨
中部長野、新潟、富山、岐阜、愛知
北陸石川、福井
関西大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重、鳥取、岡山
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