労災保険の特別加入とは?対象者や手軽な加入方法を解説!
更新日 / 2023.12.27
一般社団法人一人親方労災保険組合 代表理事
一人親方労災保険組合顧問
一人親方が仕事中にけがをした場合、会社員のように企業からの補償は受けられません。また、労災保険の加入対象も本来は会社員などの労働者です。
しかし、労災保険には一人親方でも入れる「特別加入」制度があります。労災保険は補償内容が手厚いため、一人親方にはおすすめです。
本記事では、一人親方が利用できる労災保険の特別加入制度について解説します。加入手続きや保険料、補償対象も紹介しますので、特別加入を検討してみましょう。
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労災保険の特別加入の概要
労災保険の特別加入とは、本来は加入対象ではない個人事業主が所定の要件を満たした場合、任意で入れる制度です。
労災保険は、会社員などを守るために企業が従業員に掛ける国の強制保険ですが、業務の実態や災害の発生状況から同様の保護がふさわしい労働者以外の人も、例外的に加入が認められます。
一般の労災保険と特別加入との主な違いは次の通りです。
また、特別加入するには「特別加入団体」に加入しなければなりません。団体の組合員として加入します。
一人親方労災保険組合顧問
労災保険の特別加入の対象者
労災保険に特別加入できる人については、労働災害補償保険法で具体的に定められています。対象者それぞれについて確認しましょう。
中小事業主等
中小事業主等とは、下表に該当する事業主とその従業員です。業種と企業規模に応じて決まります。
労働者数は常時雇用する労働者(1年間に100日以上労働者を使用)の人数です。事業主の家族従業員や役員なども含まれます。
一人親方等
一人親方等とは、労働者を使用しないで自分一人または家族だけで事業を行う自営業者のことです。労働者を使用していても、労働者の使用日数が1年間100日未満なら該当します。
一人親方として代表的なのが、建設業界の大工や左官などです。また、個人タクシーの運転手や漁業や林業の従事者など幅広い職業の人が対象となるため、後で詳細を解説します。
特定作業従事者
特定作業従事者とは、次の作業に従事する人です。
- 特定農作業従事者
- 指定農業機械作業従事者
- 国や地方公共団体が実施する訓練従事者
- 家内労働者とその補助者
- 労働組合等の役員
- 介護作業従事者と家事支援従事者
- 芸能関係作業従事者
- アニメーション制作作業従事者
- ITフリーランス
なお、「芸能関係作業従事者」と「アニメーション制作作業従事者」は2021年4月、「ITフリーランス」は2021年6月から、特定作業従事者に追加されました。
海外派遣者
海外派遣者とは、国内の企業に雇用される労働者で海外に派遣された人のことです。労災保険は、原則派遣された国の労災制度の対象ですが、国によっては制度が整備されていないこともあるため、任意加入できるようになりました。
労働者として派遣される場合のほか、海外事業の事業主として派遣される場合も海外派遣者に該当します。ただし、国内の事業に所属し、一時的に海外へ出張する人は含まれません。
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特別加入できる一人親方の定義
ここからは、一人親方にフォーカスをあてて解説していきます。「一人親方等は自分一人(または家族など)で事業を行う自営業者」と説明しましたが、具体的に対象となる事業は、次の通りです。
- 自動車などを使用して行う旅客や貨物運送(個人タクシー業、個人貨物運送業など)
- 土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊、解体など
- 漁船による水産動植物の採捕
- 林業
- 医薬品の配置販売
- 再生利用目的の廃棄物などの収集、運搬、選別、解体など
- 船員法第1条に規定する船員(小規模船舶などの船長や船員など)
- 柔道整復師が行う事業
- 高年齢者雇用安定法の創業支援等措置に基づき高年齢者が新たに開始する事業
参考:厚生労働省「特別加入制度のしおり(一人親方その他の自営業者用)」
なお、「柔道整復師が行う事業」と「高年齢者が新たに開始する事業」については、2021年4月から追加されました。
働き方が多様化し、複数の仕事を持つ人や業務委託でも雇用に近い形で働く人が増える中、特別加入の対象範囲は、今後も拡大すると思われます。
一般社団法人一人親方労災保険組合 代表理事
労災保険の特別加入は基本的にどなたでもご加入いただけます。ただし、補償の対象となるのは、特別加入が認められた業種で一人親方としての要件(雇用関係になく、請負で仕事をしていること)を満たしている必要があります。
なお、一人親方が暴力団や暴力団に準ずるような反社会的勢力である場合には、加入を拒否されることがあり得ます。申請に当たり、虚偽の申告があったような場合にも、加入の拒否や加入後の解除が行われることがあるため注意してください。
また、学生である場合(労働基準監督署が一人親方と認めない場合)には加入を認めない場合があるため、加入に当たって充分な確認が必要です。
一人親方の特別加入申請手続き
一人親方が特別加入する方法は2種類あります。新たに団体を作って組合員になるか、既存の団体に入るか、のどちらかです。それぞれについて説明します。
新たに特別加入団体を作って申請する場合
特別加入団体の新設と組合員の特別加入の申請は同時におこなうことができます。必要な手続きは、「労働者災害補償保険 特別加入申請書(一人親方等)」に必要事項を記入して、労働基準監督署を経由して労働局に提出することです。。
申請書には、次の項目を記入します。
- 団体の名称、代表者名、事業・作業の種類
- 加入予定者の氏名、生年月日、業務内容、希望する給付基礎日額
- 加入を希望する日(申請日の翌日から起算して30日以内) など
ただし、特別加入団体を新設するときは次の要件を満たさなければなりません。
- 一人親方等の相当数を構成員とする単一団体であること
- 構成員の範囲や構成員である地位の得喪手続きなどが明確であること
- 事業内容や事務体制、財務内容などから、労働保険の事務が処理可能であること など
以上の条件を満たし、都道府県労働局長に特別加入団体新設を承認してもらう必要があるのです。労働保険の事務処理知識がないと、手続きに時間を取られることも予想されます。
知識に自信がない場合は、以下で紹介する、既存の特別加入団体を通じて加入する手段を取りましょう。
既存の特別加入団体を通じて加入する場合
既存の特別加入団体を通じて雇用保険に加入する場合、団体宛に「加入を希望する旨」を申し出るだけで、手続きは完了です。団体が労働基準監督署に「特別加入に関する変更届」を提出して、代わりに加入手続きをしてくれます。
ちなみに、変更届の記載内容は次の通りです。一人親方側は、以下に対応する情報を特別加入団体に通知する必要があります。
- 加入予定者の氏名、生年月日、業務内容、希望する給付基礎日額
- 加入を希望する日(申請日の翌日から起算して30日以内)
- 団体代表者(事業主)の署名 など
参考:厚生労働省「特別加入に関する変更届・特別加入脱退申請書」
加入後に業務内容などに変更があった場合や特別加入を辞める場合は、団体にその旨を連絡しましょう。団体が変更届を使って変更手続きや脱退手続きをしてくれます。
団体を新設するより既存の団体を活用するほうが手続きは簡単です。
一人親方労災保険組合顧問
労災保険法では、特別加入制度は都道府県労働局長の承認を受けた特別加入団体を「事業主」、一人親方を「労働者」とみなして労災保険の適用を行うこととされています。
したがって、一人親方は必ず特別加入団体を通じて加入しなければなりませんが、労災申請の手続自体が事務的にも熟達を要するものであること、また、気軽に相談にのってくれる団体でないと保険給付に伴う様々な不安も解消できないことから、ぜひ「この団体は信用できる」と思われる団体をお選びいただきたいと思います。
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「一人親方の労災保険はどれにする?おすすめの選び方を紹介!」
一人親方の労災保険料
一人親方の労災保険料は、事業の種類と給付基礎日額によって決まります。
給付基礎日額は保険給付額などを算定する基礎となるものです。日額は3,500円から2万5,000円まで16種類あり、自分で任意に設定できます。
給付基礎日額は、直近の平均収入を参考に給付と負担のバランスに考慮して決めましょう。
なお、一人親方の労災保険料については以下の記事で詳しく解説しています。
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一人親方の労災保険の補償対象
一人親方が加入する労災保険の補償対象は「業務災害」と「通勤災害」の2つです。
- 業務災害:就業中の災害
- 通勤災害:通勤途中の災害
ただし、「個人タクシー業者」「個人貨物運送業者」「漁船による自営漁業者」については通勤災害は適用されません。車の運転など、業務上の行為か通勤途中の行為かを判別することが難しいからです。
業務災害や通勤災害による損害(ケガや休業、死亡、障害など)に対し、労災保険から保険給付されます。
なお、一人親方労災保険の補償内容については以下の記事で詳しく解説しています。
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一人親方労災保険の補償内容とは?給付基礎日額ごとの給付例も紹介
特別加入団体を通じて手軽に労災保険に加入しよう
特別加入とは、仕事中の事故などに備えて、一人親方などが任意で労災保険に加入できる制度です。保険料は自己負担になりますが、労災保険は補償内容が手厚いので加入をおすすめします。
加入方法は、新たに特別加入団体を作って組合員になるか、既存の団体に入るかの2つです。既存の団体を利用すれば申請手続きは団体がやってくれるため、手軽に加入できます。
万が一に備えて、一人親方労災保険に加入しましょう。
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一人親方労災保険
監修者からメッセージ
一人親方労災保険組合顧問覺正 寛治かくしょう かんじ
一人親方に安心安全を提供したい
静岡大学法経学科を修業後、1977年4月に労働省(現厚生労働省)入省。2002年に同省大臣官房地方課課長補佐(人事担当)、2004年に同省労働金庫業務室長を歴任し、2007年に同省鹿児島労働局長。退官後、公益財団法人国際人材育成機構の常務理事、中央労働金庫の審議役を経て、2017年4月に現職。
厚生労働省では「地下鉄サリン事件」「阪神淡路大震災」「単身赴任者の通勤災害」の労災認定や「過労死認定基準」の策定などを担当し、労災保険制度に明るい。一人親方労災保険組合顧問としては、一人親方が安心安全に働けるよう、これまで培った労災関係業務や安全衛生業務の経験を生かして労災保険特別加入制度の普及や災害防止活動に取り組んでいる。
一人親方労災保険組合の労災保険特別加入手続き対象地域
北海道 | 北海道、青森 |
---|---|
東北 | 宮城、岩手、秋田、山形、福島 |
関東 | 東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、栃木、静岡、山梨 |
中部 | 長野、新潟、富山、岐阜、愛知 |
北陸 | 石川、福井 |
関西 | 大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重、鳥取、岡山 |
中国 | 広島、山口、島根 |
四国 | 愛媛、徳島、香川、高知 |
九州 | 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島 |
沖縄 | 沖縄 |
厚生労働省の統計(令和2年度末)によると、建設業の一人親方で労災保険に特別加入されている方は64万1,496人とされており、前年の令和元年度末の61万39,96人よりも2万7,500人増えています。総務省労働力調査をもとに国土交通省が推計したところ、建設技能者は令和元年度平均で324万人とされています。
いずれにしても、労災保険の特別加入は一人親方の任意加入とはされていますが、建設業では労災保険に加入していないとほとんどの現場で入場させてもらえない実態にあることをご承知おきください。