一人親方の労災保険は義務? 加入するメリット・条件・方法を解説!

一人親方労災保険

更新日 / 2022.7.26

一人親方として活動しているものの、労災保険に入っておらず、入るべきか悩んでいる人は多いのではないでしょうか。

しかし、労災保険に加入しないで労働災害にあった場合、治療費や入院費などの補償は受けられません。また、労災保険への加入有無は、仕事の受注にも影響を与える可能性があるため注意が必要です。

そこで今回は、一人親方が労災保険に加入するメリットや、加入するための条件、加入方法について詳しく解説します。ぜひ、最後までご覧ください

一人親方の労災保険への加入は義務ではない

一人親方の労災保険への加入は、義務ではありません。加入するか否かは任意です。一人親方の中には、保険料を負担したくない、またはすでに民間保険に入っているなどの理由から、特別加入していない人もいるかもしれません。

しかし、一人親方が労災保険に加入することには多くのメリットがあり、入らないと被るデメリットもあります。

労災保険に加入するメリットについては後述しますので、一人親方なら、労災保険に加入する意義を今一度確認してみてください

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一人親方の労災保険の特別加入とは?

一人親方は労災保険に特別加入できます。一人親方の労災保険の特別加入とは、どのような制度なのでしょうか。詳しく解説します。

一人親方のために用意された国の制度

労災保険の特別加入は、国が特別に設けた制度です。一人親方は一定の要件のもと、例外的に労災保険への加入が許されています。

一般的な労災保険の加入対象は、事業主に雇用され、賃金を受け取っている労働者です。そのため、事業主・自営業主・家族従業者など、労働者に該当しない人は、本来なら労災保険に加入できません。

労災保険に特別加入できる人の範囲は、以下の4種です。

  • 中小事業主など
  • 一人親方など
  • 特定作業従事者
  • 海外派遣者

上記にあたる人は、業務の実態が労働者と大差ないと判断され、特別加入制度が設けられました。とくに建設業の一人親方は危険をともなう仕事が多いため、労災保険への加入が必要とされています

多くの一人親方が利用している制度

労災保険の特別加入制度は、多くの一人親方が利用しています。事実、厚生労働省が公表した建設業のアンケート調査によると、労災保険に「加入している又は加入予定」の一人親方は、81.9%という結果になりました。

また、労災保険に特別加入する人数も、年々増加の傾向にあります。平成24年度末時点での特別加入者は39.7万人でしたが、平成29年度末には55.7万人となりました。5年間で、加入者が16万人増えているということです。

今や労災保険への特別加入は、一人親方にとって欠かせない制度といえます

出典:厚生労働省「建設業一人親方の働く実態等に関するアンケート調査結果」(平成30年度実施)

一人親方が労災保険に特別加入するメリット6つ

労災保険に特別加入するメリット6つ

一人親方が労災保険に特別加入するメリットは、6つあります。どのようなメリットがあるのか、順に見ていきましょう。

①労働者並みの労災補償を受けられる

労災保険は特別加入でも、一般加入と同じような補償を受けられます。

たとえば、仕事が原因でケガをしたり、病気を患ったりした際には、入院費や治療費を受け取ることが可能です。また、ケガや病気により休業せざるを得なくなった場合には、一定の給付も受けられます

詳しい補償内容は後述しますが、ほかにも多数の補償があり、一人親方の労災によるケガ・病気に備えられるのが特徴です。

②元請の現場に入れる

一人親方が労災保険に特別加入すると、元請会社の現場に入りやすくなります

元請会社が一人親方に業務を発注する際の条件として、労災保険への特別加入を求めることは少なくありません。元請会社は一人親方に労災保険への加入有無を問うなど、安全に配慮する義務があるからです。

過去には、労災保険に特別加入していない一人親方が、被災する事例も数多くあります。特別加入することは、一人親方のみならず、元請会社にとっても大きな意味を持つことを理解しておきましょう。

③国の労災保険料は比較的安い

国が設けている一人親方労災保険は、民間の保険と比べて費用面でもお得といえます。

場合によっては補償が生涯続き、遺族への年金も遺族が亡くなるまで続くのが特徴です。一人親方労災保険のような保険料額で、ここまでの手厚い補償は、民間の保険では望めません。長い目で考えれば、保険料の負担は安いといえるでしょう。

一人親方労災保険の主な費用は、国に納める労災保険料と、加入する団体に支払う入会金・組合費です。加入する団体によっては、組合費以外にも更新手数料や退会手数料などがかかる場合もあります。

入会金・組合費などは各団体によって金額が異なりますが、労災保険料は国に納めるため、団体関係なく同じ金額です。

なお、労災保険料は、16段階の給付基礎日額(3,500〜25,000円)に応じて決まります。一人親方の加入者で最も多い、給付基礎日額5,000円の場合、年間の保険料(12か月)は、32,850円です。

④国の労災保険の補償内容は手厚い

一人親方労災保険は、補償が手厚いのも特徴です。7つの保険給付に加え、対応する特別支給金も受け取れます。

7つの保険給付は、以下の通りです。

  1. 療養(補償)給付
  2. 休業(補償)給付
  3. 傷病 (補償)年金
  4. 障害(補償)給付
  5. 遺族(補償)給付
  6. 介護(補償)給付
  7. 葬祭料・葬祭給付

上記の補償内容について、順に解説します。

療養(補償)給付

労災によるケガ・疾病の場合に、治療費などが支給されます。具体的な補償内容としては、入院費や診察代、薬代などです。

給付期間は、症状が完全に回復するまで、または一般的な医療をおこなっても、効果が期待できない状態になるまでとされています。万が一、障害が残った場合は、このあと紹介する障害(補償)給付の対象です。

休業(補償)給付

ケガや疾病により労働が不可能となり、休業した分の賃金を受けられないときに、一定の金額が給付される制度です。

給付額は、過去3か月分の給料の総額を総日数で割った金額(給付基礎日額)の6割が、休業4日目より支給されます。

また、休業(補償)給付とは別に「休業特別支給金」と呼ばれる制度もあり、給付基礎日額の2割を受け取ることが可能です

傷病 (補償)年金

労災による怪我や疾病の療養開始から1年6ヵ月経過した後に、以下の両方に当てはまっていれば、一定金額の給付を受けられる制度です。

  • 怪我や疾病が治癒していない
  • 怪我・疾病の程度が厚生労働省の定める傷病等級表の第1~3級に該当する

なお、傷病 (補償)年金を受ける場合、休業(補償)給付が受けられなくなる点は、押さえておきましょう。また、傷病等級に該当しない場合には、引き続き休業(補償)給付の支給が受けられます。

障害(補償)給付

業務上の災害により、身体に一定の障害が残った場合に受け取れる給付です。

障害の程度は1~14級までの14階層が定められており、数字が低いほど重い障害であることを意味します。1~7級に該当する人は「障害補償年金」、8~14級に該当する人は「障害補償一時金」を、それぞれ受け取ることが可能です。

遺族(補償)給付

労災によって死亡した労働者の遺族に対して支払われる給付です。「遺族補償年金」と「遺族補償一時金」の2種類があります。

遺族補償年金は、複数の条件を満たすと支給される仕組みです。条件が満たされない場合は、遺族補償一時金が支給されます

介護(補償)給付

障害補償年金、または傷病補償年金を受ける権利を持っている人が、以下のいずれかの条件を満たした際に給付されます。

  • 障害等級が第1級である人
  • 障害等級が第2級で、精神・神経・胸腹部臓器の障害を有しており、現に介護を受けている人

ただし、入院中や障害者支援施設で生活介護を受けている場合など、十分な介護サービスが提供されている場合は給付されません

葬祭料・葬祭給付

労災で亡くなった人の葬儀をおこなう際に、給付を受けられる制度です。必ずしも遺族に給付されるとは限らず、社葬として葬儀をおこなった場合は、会社に対して葬祭料が支給されます。

支給される葬祭料は、315,000円に給付基礎日額の30日分を加えた金額です。その合計金額が給付基礎日額の60日分に届かない場合は、給付基礎日額の60日分の金額が支給されます。

⑤安心感を得られる

労災保険に加入する大きなメリットとしては、安心感を得られるという点も挙げられます。とくに建設現場で働く一人親方は、業務中の事故のリスクが大きいため、保険に加入しておくと安心でしょう。

厚生労働省によると、2020年1〜12月にかけて発生した一人親方などの死亡災害は、57件ありました。中でも「墜落・転落」が最も多く、全体の8割近くに及ぶ44件を記録しています

労災保険に加入したからといって、事故を防げるわけではありません。しかし、万が一のときには補償を受けられることは安心感につながるでしょう。業務に関する不安を少しでも軽減し、パフォーマンスを向上させるためにも、労災保険に加入することは大切です。

出典:厚生労働省「令和2年一人親方等の死亡災害発生状況概要

⑥保険料は控除の対象である

労災保険で支払った保険料は、すべて社会保険料控除の対象になります。所得税と住民税が安くなり、リスクに備えながら節税することが可能です。

なお、社会保険料控除の対象は、その年の1月1日~12月31日の間に納付した金額です。対象期間を間違えると、支払う税金が高くなってしまうため注意しましょう

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労災保険に特別加入できる一人親方とは?

労災保険に特別加入できる一人親方とは?

労災保険に特別加入できる一人親方には、6つの条件があります。一人親方で、かつ6つの条件のうちいずれかに該当する人なら、加入対象となる可能性があるのでチェックしてみましょう。

個人で仕事を請け負っている

まず、個人で仕事を請け負っていることが加入条件として挙げられます。会社員などは労災保険の特別加入の対象外です。

建設業の一人親方以外では、以下の個人事業主も特別加入できます。

  • 自動車を使用しておこなう旅客または貨物の運送事業
  • 漁船による水産動植物の採捕事業
  • 林業事業 など

労働者の使用が1年間に100日未満である

一人親方で労働者を使用している場合でも、年間の使用日数が100日未満であれば、労災保険に特別加入できます。

労働者を年間100日以上使用する一人親方は、労働保険事務組合を通じて、中小事業主用の労災保険に切り替える必要があるため注意しましょう。

会社に所属して請負で仕事をしている

会社に所属している場合でも、雇用ではなく請負で仕事をおこなっていれば、労災保険に特別加入できます。

以下に該当すると雇用と判断される場合があり、特別加入の対象外となるため注意してください。

  • 始業時刻が定められている
  • 道具は会社が用意してくれる
  • 仕事の進め方について、会社から指示をもらっている

上記に当てはまるところが少ない場合は、請負と判断される可能性が高まります。請負なら一人親方に該当するため、特別加入が可能です

雇用関係のないグループで仕事をしている

グループで業務をおこなっている場合でも、お互いに雇用関係がなければ、労災保険に特別加入できます。

建設業と一口にいっても、さまざまな職種があり、グループで業務をおこなうケースもあるでしょう。雇用関係がないグループであれば、それぞれが一人親方とみなされるため、特別加入が認められます。

逆に、雇用関係があると一人親方に該当しません。労災保険に特別加入できなくなるため、注意が必要です。

法人の役員のみで仕事をしている

法人化している場合でも、役員のみで仕事をしていれば、労災保険に特別加入できます。特別加入の条件に「個人事業主」「法人の代表者」という指定はなく、従業員の有無によって変わるためです。

従業員がいる場合は、さきほども述べたように、雇用日数が100日未満であれば、一人親方労災保険への特別加入が認められます

一人親方の家族従事者である

一人親方と同居および生計をともにしている家族従事者も、労災保険への特別加入が可能です。

なお、家族従事者は、労働基準法上の労働者には原則該当しません。しかし、以下のケースでは、家族従事者でも労働者とみなされる可能性があります。

  • 業務をおこなう際に、事業主の指揮命令に従っていることが明確である
  • 就労形態が、該当する事業場の他の労働者と同じである

労働者とみなされることで、労災保険や雇用保険への加入が可能となります

一人親方の労災保険の加入方法

一人親方が労災保険に特別加入するためには、特別加入団体を通じて申請手続きをおこないます。国の制度でも、市区町村の役所などでは手続きがおこなえないため、注意してください。

一人親方労災保険の特別加入団体とは、各都道府県にある労働局の承認を受けた団体です。

各団体によって、手続き方法は多少異なります。大まかな流れとしては、書類をそろえて申し込みをおこない、費用を支払うというものです

申し込みと費用の支払いが終わったら、団体から会員証・加入証明書が送られてきます。なくさないよう大切に保管しておきましょう。

なお、手続きをおこなう際、業務歴から健康診断が必要と判断される場合があります。団体から受け取る書類の記載内容をしっかり確認して、健康診断を受けてください。

一人親方の労災保険は義務ではないが、加入は必要

一人親方が労災保険に加入することは義務ではありません。しかし、国が設けた労災保険の特別加入制度は、一人親方ならではの特権でもあります。多くのメリットがあり、実際に一人親方の加入者は多いのが実情です。

労災保険に特別加入すれば、入場できる現場が増え、万一のときには手厚い補償を受けられます。業務中の事故のリスクが高い一人親方には、不可欠な保険です。

余計な不安を軽くして、業務に集中するためにも、一人親方なら労災保険への特別加入を済ませておきましょう



一人親方ら個人事業主にとって、保険にまつわる悩みは頭の痛い問題。


「費用をとにかく安くすませたい」
「明日の現場で証明書が必要で、間に合わせたい」
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そんな保険にまつわる悩みを解決するのが、全国9万人が加入する一人親方労災保険組合の労災保険です。


保険選びに迷ったらとりあえず一人親方労災保険組合の労災保険。手続きはたったの3分でできるので、これを機会に加入を検討してみてください。


監修者からメッセージ

一人親方労災保険組合 理事 古口仁

一人親方労災保険組合顧問覺正 寛治かくしょう かんじ

一人親方に安心安全を提供したい

静岡大学法経学科を修業後、1977年4月に労働省(現厚生労働省)入省。2002年に同省大臣官房地方課課長補佐(人事担当)、2004年に同省労働金庫業務室長を歴任し、2007年に同省鹿児島労働局長。退官後、公益財団法人国際人材育成機構の常務理事、中央労働金庫の審議役を経て、2017年4月に現職。

厚生労働省では「地下鉄サリン事件」「阪神淡路大震災」「単身赴任者の通勤災害」の労災認定や「過労死認定基準」の策定などを担当し、労災保険制度に明るい。一人親方労災保険組合顧問としては、一人親方が安心安全に働けるよう、これまで培った労災関係業務や安全衛生業務の経験を生かして労災保険特別加入制度の普及や災害防止活動に取り組んでいる。

一人親方労災保険組合の労災保険特別加入手続き対象地域

北海道北海道、青森
東北宮城、岩手、秋田、山形、福島
関東東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、栃木、静岡、山梨
中部長野、新潟、富山、岐阜、愛知
北陸石川、福井
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