職人の親方とは? 子方との違いや一人親方になるための手続きも解説

職務関連・労働環境

更新日 / 2023.7.07

建築業で、キャリアアップや独立を目指している方の中には、現場における親方と子方(こかた)の違いが気になっている方も多いのではないでしょうか。

長期的なキャリアプラン・ライフプランを考えるには、きちんと知識を身に着けることが重要です。

この記事では、親方と子方の違いや、一人親方になるための手続きについて解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。

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職人における親方とは

親方とは、現場で職人に指示を出す立場の人を指します。

一般企業で言う、上司や役職のある立場の人のことです。現場で親方と呼ばれていなくても、定義の上では親方に該当する人もいます。

親方になることで得られるメリットがあるので、現場で働く職人にとっては目指すべき立場とも言えるでしょう

職人における親方と子方の違い

職人における親方と子方の違い

親方の下で働く人を、子方と言います。一般企業でいう部下にあたる立場です。

では、そんな親方と子方には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

親方と子方の間には、現場における立場の違い、持っている資格の違い、給与面の違いがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

①現場における立場の違い

まず、親方と子方の違いでわかりやすいのは、現場における立場の違いです。

上述した通り、親方は使用し、子方は親方に使用されます。親方は子方の業務を管理することがメインの業務となり、子方は親方から与えられた業務を行うことがメインの業務となります。

②必要な資格の違い

親方になるためには、資格が必要です。具体的には、「職長・安全衛生責任者教育」と各職種の「作業主任者資格」の取得が要請されます。

職長・安全衛生責任者教育は、働く子方の健康と安全を確保する上で必要な資格です

また、作業主任者資格は、該当作業の主任者として作業遂行に欠かせない資格です。作業をするには現場に該当作業主任者が必要な旨、法令で定められています。

一方、子方としては、有資格者作業(溶接など)をおこなう際の資格や修了証は必要ですが、上記の「職長・安全衛生責任者教育」「作業主任者資格」は必須ではありません。

③給与・報酬面の違い

子方は基本的に日当を出勤日数分もらう形で給与を得ます。

一方、会社には所属せず個人事業主として働いている一人親方の場合、子方とは違い、請負金額から経費や支払いを引いて、残った金額が報酬として入ってきます

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職人が独立して一人親方になるメリット

職人が独立して一人親方になるメリット

ここまで、親方と子方の違いを紹介してきました。

しかし、実際に親方になるには、上であげた資格以外にも職人としての実力はもちろん、その実力をつけるための時間も必要となります。一般的に子方から親方になるまでに、平均5年〜10年かかると言われています

今いる会社で親方を目指すのも良いですが、一人親方として独立するのも良い選択肢と言えます。ここからは、独立して一人親方になるメリットについて紹介します。

①収入が増える

一人親方は会社に雇われているわけではないので、自分で単価交渉をすることができます。

そのため、一般的な子方の職人の日当に比べ、一人親方は高めの単価を狙うことも可能です

また、資格や高度な技術を身につけることで、さらに単価アップにつながる可能性があります。

単価があがれば当然年収も増えます。一人親方は自分で仕事を獲得できるので、働きたいだけ働くことができます。

②働き方の自由度が高くなる

現場や元請けとの調整次第ですが、会社員に比べて休みも自由に取りやすいので、働く期間と長期休暇を取る期間など、柔軟な働き方も実現しやすいと言えるでしょう。

休みが少ないことが悩みの職人も多いので、休みを自由に取りやすいことは一人親方のメリットといえます

③人間関係の自由度が高くなる

一人親方は、人間関係の自由度も高いです。会社に雇われている訳ではないので、固定の上司がいないほか、一緒に働く人も自由に選ぶことができます。

社会人の悩みの中で、人間関係の悩みが最も多いと言われています。人間関係のトラブルを減らすことができるのは、メリットと言えるでしょう

職人が一人親方になる上でやっておくべきこと

一人親方になるためには、何をしたらいいのでしょうか。

一人親方になる上でやっておくべきことは、独立するための準備、一人親方になるための行政手続き、その他任意の手続きの3つに大きく分けられます

この中でも特に必須の行政手続きを怠ると、仕事をしばらく獲得できず、生活に支障をきたす可能性があるので注意しましょう。

なお、一人親方になる上での手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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親方・子方の職人は自身の働き方を確認して労災保険に加入しよう

今回は、親方・子方の違いや、一人親方のメリットをまとめました。

一人親方は、親方・子方とは違ったメリットがあります。また、親方・子方に関わらず、建築業の一人親方労災保険特別加入は、雇用関係が無く建築工事を請負でお仕事をされる人が加入可能ですので、自分の仕事の請負い方を確認したうえで特別加入するようにしましょう

一人親方は会社に雇われている訳ではないので、労災保険には自分で加入する必要があります。加入していないと、現場で労災に遭ったとしても補償を受けられないので、注意しましょう。

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一人親方バナー

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監修者からメッセージ

一人親方労災保険組合顧問 覺正 寛治

一人親方労災保険組合顧問覺正 寛治かくしょう かんじ

一人親方に安心安全を提供したい

静岡大学法経学科を修業後、1977年4月に労働省(現厚生労働省)入省。2002年に同省大臣官房地方課課長補佐(人事担当)、2004年に同省労働金庫業務室長を歴任し、2007年に同省鹿児島労働局長。退官後、公益財団法人国際人材育成機構の常務理事、中央労働金庫の審議役を経て、2017年4月に現職。

厚生労働省では「地下鉄サリン事件」「阪神淡路大震災」「単身赴任者の通勤災害」の労災認定や「過労死認定基準」の策定などを担当し、労災保険制度に明るい。一人親方労災保険組合顧問としては、一人親方が安心安全に働けるよう、これまで培った労災関係業務や安全衛生業務の経験を生かして労災保険特別加入制度の普及や災害防止活動に取り組んでいる。

一人親方労災保険組合の労災保険特別加入手続き対象地域

北海道北海道、青森
東北宮城、岩手、秋田、山形、福島
関東東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、栃木、静岡、山梨
中部長野、新潟、富山、岐阜、愛知
北陸石川、福井
関西大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重、鳥取、岡山
中国広島、山口、島根
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