出前館の自転車配達員に保険は必要?選び方のポイントを解説
更新日 / 2024.6.25
一般社団法人一人親方労災保険組合 代表理事
一人親方労災保険組合顧問
出前館で自転車配達員として働くことを検討しているものの、保険に入るべきか分からずに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、出前館で自転車配達員として働くのであれば、保険への加入が必須です。保険に入っていないと、働けません。
そこで今回は、出前館の働き方の概要や、自転車配達員に保険が必要な理由を解説します。併せて、保険を選ぶ際のポイントも紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
労災保険ちゃんと入ってる?
配達中の「万が一」のために加入しておこう
労災保険は基本的には雇用されている人が対象です。しかし、一人親方等の業務上リスクを伴う可能性のある職種の場合、個人事業主も国の制度である労災保険の特別加入に加入できます。
令和3年9月から、自転車での配達員も労災保険の特別加入の対象となりました。副業でやっている場合も、加入することができます。もし配達員の副業で怪我をしてしまった場合でも、補償が受けられるのは安心できるポイント。
「安くて無難なところで加入したい」と考えている配達員の人には、組合費が月額500円で組合員数が全国9万人を誇る業界最大手の「一人親方労災保険組合」がおすすめです。
加入はたったの3分で完了。まずは詳しくチェックしてみてください。
出前館の自転車配達員の働き方は2種類
前提として、出前館では以上2種類の働き方があります。
それぞれの形式について順に解説していくので、両者の違いを正しく理解しましょう。
①アルバイト配達員
アルバイト配達員は、出前館と雇用契約を結び、働いた時間(時給制)によって報酬を得る仕組みです。雇用契約を結ぶため、労災保険が適用されます。
労災保険は、国が設けている制度です。雇用されている立場の人が、業務中や通勤時の事故などが原因で、ケガや病気を患った際に保険給付を受け取れます。
とくに配達員は、業務中の事故などのリスクが大きいだけに、労災保険の適用有無は重要です。
国からの手厚い補償を受けられるアルバイト配達員であれば、個人で任意保険に入っていなくても、それほど大きな問題にはならないでしょう。
②業務委託配達員
業務委託配達員は、出前館とは雇用契約を結ばずに働く雇用形態です。報酬は歩合制で、配達の回数にもとづき報酬が支払われます。
出前館と雇用契約を結ばない業務委託配達員は、労災保険が適用されません。業務中の事故でケガや病気を患ったとしても、自身で治療費などを負担する必要があります。
とはいえ、労災保険が適用されないからといって、何も補償制度がないわけではありません。出前館では業務委託配達員向けに、「見舞金制度」を設けています。
見舞金制度により、業務中の事故などでケガをした際に補償を受けることが可能です。ただし見舞金制度は、第三者に被害を与えたときや何かを壊したときは、補償を受けられません。
そのため、業務委託配達員として働くのであれば、任意保険に加入しておくことが重要です。出前館では、任意保険の加入を働く上での必須条件としています。
保険を選ぶ際のポイントに関しては、以降の章で詳しく解説します。
労災保険ちゃんと入ってる?
配達中の「万が一」のために加入しておこう
労災保険は基本的には雇用されている人が対象です。しかし、一人親方等の業務上リスクを伴う可能性のある職種の場合、個人事業主も国の制度である労災保険の特別加入に加入できます。
令和3年9月から、自転車での配達員も労災保険の特別加入の対象となりました。副業でやっている場合も、加入することができます。もし配達員の副業で怪我をしてしまった場合でも、補償が受けられるのは安心できるポイント。
「安くて無難なところで加入したい」と考えている配達員の人には、月額500円で組合員数が全国9万人を誇る業界最大手の「一人親方労災保険組合」がおすすめです。
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出前館で業務委託配達員として働くには任意保険の加入証明の提出が必須
出前館の業務委託配達員は、応募時に任意保険に入っていることを示す書類の提出が必要です。そのため、まだ保険に入っていない方は、保険に加入する必要があります。
任意保険以外には、顔写真付きの身分証明書が必要です。さらに採用後は、以下のものも必要になるため、働く前から準備を進めておきましょう。
- スマートフォン
- 配達用の車両
- 銀行口座
詳細に関しては、出前館の募集サイトより確認できるので、ご自身でもチェックしてみてください。
自転車配達員が労災保険に特別加入する方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、よろしければこちらもご覧ください。
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一般社団法人一人親方労災保険組合 代表理事
出前館の配達員が自転車保険を選ぶ際のポイント
ここからは、特に第三者損害賠償の観点から、自転車保険の選び方を解説します。自転車保険を選ぶ際は、いくつかポイントがあります。具体的には、上記の3点を意識しましょう。
一つずつ順に解説していきます。
①高額な賠償に対応できるかを確認する
まずは、高額な賠償に対応できるのかを確認しましょう。
自転車に乗っているときは、自身がケガをする可能性だけでなく、相手や物に損害を与えてしまう恐れもあります。事故の内容によっては、数千万円規模の賠償が命じられることも、決して少なくありません。中には、1億円近い賠償額が命じられることもあります。
出典:一般社団法人日本損害保険協会「自転車事故と保険」
上記のような高額な賠償にも対応できるのか、必ず確認をしましょう。
一人親方労災保険組合顧問
令和3年9月1日より、フードデリバリーなど自転車・原付を使用して貨物運送事業を行う「自転車配達員」の労災保険の特別加入が認められました。
これは、労働契約ではなく請負契約や委託契約で仕事をしておられる「自転車配達員」でも、事故に遭う危険性は通常の労働者と変わらず、国としては労働者に準じて保護することが妥当であると考え、労災保険制度の中で「特別加入」として認められたものです。
自転車配達員の特別加入は、事業の範囲内で自転車を運転する作業、貨物の確認作業とこれに直接附帯する行為で被災した場合は「業務災害」として認定されます。ただし、「通勤災害」は従前から特別加入が認められてきた自動車などを使用して貨物運送事業をおこなう一人親方と同様、「通勤災害」は保護の対象とはされていませんので、注意してください。
②ケガをした際の補償範囲を確認する
ケガをした際の補償範囲の確認も大切です。自転車保険には、さまざまなプランがあります。そのため、補償の内容も以下のように多様です。
- 入院の補償
- 手術の補償
- 後遺障害の補償
- 死亡の補償 など
プランによっては、これらすべてを補償するものもあれば、入院のみを補償するものもあります。ケガをした際に、補償を受けられない事態を避けるためにも、加入時に補償の範囲を確認しましょう。
ただし、補償の範囲や補償額が大きくなるにつれて保険料も高くなります。保険料は毎年、あるいは毎月にわたり納付しなければなりません。
保険料が高額なプランを選んでしまうと、自身の懐事情をひっ迫する恐れが生じます。毎月の収入や貯金なども考慮したうえで、加入するプランを選びましょう。
一般社団法人一人親方労災保険組合 代表理事
労災保険の場合であれば、自分で選択した給付基礎日額を除いて、補償の内容は誰であっても同一となります。しかし、民間保険の場合には、その補償内容は千差万別であり、保険料にも幅があります。
自転車配達員として働くうえで起き得るリスクの全てに備えて、あらゆる補償が揃った保険に加入すれば問題ありませんが、そういった保険は保険料も高額になります。万が一の場合に備えて保険に加入するのに、高額な保険料の支払いによって生活が困窮しては元も子もありません。
支払う保険料と補償内容が釣り合っているか判断するためには、まず補償される範囲を確認しましょう。どれだけ高額な保険料が支払われる保険であっても、支給対象でなくては意味がありません。そのため、自分自身に起き得る事故等のリスクが補償内容に含まれているかよく確認することが必要です。
また、仮に保険料が高額であっても、掛け捨てでない保険であれば、資産形成に利用できます。そのため、掛け捨ての保険か否かも保険を選ぶ際の大切な判断材料となります。
③示談交渉サービス・特約の有無を確認する
3つ目のポイントは、示談交渉サービスおよび特約の有無に関する確認です。
示談交渉サービスは、事故が起きた際に、本人に代わって保険会社の方が相手との交渉を進めるサービスのことをいいます。示談交渉のサービスがついていない場合、自身で相手との交渉を進めなくてはなりません。さらに、場合によっては、弁護士を雇う必要もあります。
自らの示談交渉は多大な労力を必要とするため、示談交渉サービスの有無は、保険を選ぶうえにおいて大切な要素の一つです。
示談交渉サービスの有無を把握したら、一緒に特約についても確認しましょう。特約は契約の内容をより充実させるためのオプションです。
ただし、特約をつけると保険料はその分高くなります。本当に必要なのか自身でじっくりと考えたうえで、特約をつけるかを判断しましょう。
出前館で自転車配達員として働くなら保険に加入しよう
先述のように、出前館で自転車配達員として働くのであれば、保険に加入する必要があります。応募時に任意保険の提出が求められるからです。
今回は、自転車配達員向けの保険について、特に第三者損害賠償の観点から紹介しました。他にも配達員が入れる保険は多くありますが、その中の一つに労災保険があります。
実は、業務委託の自転車配達員でも労災保険に特別加入する方法があります。労災保険は、国が設けている制度であるため、手厚い補償を受けられるのが魅力です。
労災保険ちゃんと入ってる?
配達中の万が一のために加入しておこう
労災保険は基本的には雇用されている人が対象です。しかし、一人親方等の業務上リスクを伴う可能性のある職種の場合、個人事業主も国の制度である労災保険の特別加入に加入できます。
令和3年9月から、自転車での配達員も労災保険の特別加入の対象となりました。副業でやっている場合も、加入することができます。もし配達員の副業で怪我をしてしまった場合でも、補償が受けられるのは安心できるポイント。
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監修者からメッセージ
一人親方労災保険組合顧問覺正 寛治かくしょう かんじ
一人親方に安心安全を提供したい
静岡大学法経学科を修業後、1977年4月に労働省(現厚生労働省)入省。2002年に同省大臣官房地方課課長補佐(人事担当)、2004年に同省労働金庫業務室長を歴任し、2007年に同省鹿児島労働局長。退官後、公益財団法人国際人材育成機構の常務理事、中央労働金庫の審議役を経て、2017年4月に現職。
厚生労働省では「地下鉄サリン事件」「阪神淡路大震災」「単身赴任者の通勤災害」の労災認定や「過労死認定基準」の策定などを担当し、労災保険制度に明るい。一人親方労災保険組合顧問としては、一人親方が安心安全に働けるよう、これまで培った労災関係業務や安全衛生業務の経験を生かして労災保険特別加入制度の普及や災害防止活動に取り組んでいる。
一人親方労災保険組合の労災保険特別加入手続き対象地域
北海道 | 北海道、青森 |
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東北 | 宮城、岩手、秋田、山形、福島 |
関東 | 東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、栃木、静岡、山梨 |
中部 | 長野、新潟、富山、岐阜、愛知 |
北陸 | 石川、福井 |
関西 | 大阪、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀、三重、鳥取、岡山 |
中国 | 広島、山口、島根 |
四国 | 愛媛、徳島、香川、高知 |
九州 | 福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島 |
沖縄 | 沖縄 |
近年では、働き方改革を受けて、副業や兼業をおこなう場合も増えています。副業や兼業として、自動車でのフードデリバリーを選択することも珍しくありませんが、配達員の補償が不足していることが問題となっていました。
しかし、2021年9月からフードデリバリーを行う自転車配達員であっても、労災保険に特別加入することが可能となりました。また、出前館では任意での保険加入を配達員として働くうえでの条件としています。
交通量の多い街中で、自転車での配送をおこなう自転車配達員は、いつ事故に遭ってもおかしくない危険と隣り合わせの仕事です。そのため、働くうえで保険加入を義務付けることは、企業として当然のこととなっています。加入が義務付けられている場合はもちろんのこと、仮に加入を義務付けられていない企業で自転車配達員として働く場合であっても、しっかりと保険に加入することで、万が一に備えておくことが必要です