労災保険特別加入でかかる保険料はいくら?その他かかる費用も解説!

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公開日 / 2022.6.24

一人親方でも、労災保険に特別加入できることをご存知でしょうか

労災保険に特別加入をすると、労災事故の際に治療費がかからなかったり、災害による休業中でも給付が受けられたり、多くのメリットがあります。

また、元請け会社から仕事を受注しやすくなるという点でも、労災加入は重要です。

そこで気になるのは、保険料の負担ではないでしょうか。

今回は、労災保険の特別加入でかかる保険料について説明します。

労災保険に対して支払う保険料は、加入者の一人親方自身で選ぶことができる給付基礎日額で決められ、確定申告の際には控除も受けられるのです。ぜひ最後までお読みください。

一人親方の労災保険特別加入でかかる保険料はいくら?

一人親方の労災保険特別加入でかかる年間保険料は、

年間保険料=保険料算定基礎額×保険料率(18/1,000、建設業の場合)(12/1,000、運送業の場合)で計算されます。

また、保険料算定基礎額は給付基礎日額×365で計算されます。

給付基礎日額とは、保険料や休業(補償)給付などの給付額を算定する基礎となるもので、一人親方本人が決めることができ、日額3,500円~25,000円の範囲で選べます。

給付基礎日額が低い場合は保険料が安くなる分、休業補償給付などの給付額も少なくなります。

給付基礎日額は「給付基礎日額変更申請書」を監督署長を経由して労働局長へ提出することによって、翌年度より変更が可能です

一人親方の労災保険特別加入の保険料は経費にできる?

労災保険特別加入の保険料は、経費として計上できるのでしょうか。

結論から言うと、一人親方の労災保険料は経費にはなりません。なぜなら、通常個人事業主は労災保険には加入できないからです。

一方、一人親方の労災保険料は、国民年金や国民健康保険同様、社会保険料控除といった形で税額控除を受けられます

なお、一人親方労災保険料の確定申告上での扱いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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一人親方の労災保険料、確定申告のときの書き方は? 経費にできる?

一人親方の労災保険特別加入の保険料以外にかかる費用

 

一人親方の労災保険特別加入には、保険料以外に費用はかかるのでしょうか。

結論からお伝えすると、入会金と組合費、その他手続きに関する手数料が発生します。

なお、入会費や組合費、そして各種手数料については、保険料と違い経費として計上可能です

それぞれ詳しく見ていきましょう。

入会金

一人親方が労災保険に特別加入をする場合、一般の労働者のように直接労働基準監督署を通じて加入できません

そのため、労働保険事務組合あるいは労災保険の特別加入を取り扱っている団体への入会が必須です。入会に際して入会金が発生します。

入会金は加入時のみの支払いで、団体によりさまざまですが、1,000円から3,000円ほどの場合が多いです。

組合費

組合費とは、加入した労働保険事務組合や労災保険の特別加入を取り扱っている団体の事務手数料です

年払い、月払いと団体により支払方法はさまざまですが、おおむね月500円~2,000円の場合が多いです。

また、年度の途中に加入した場合でも一年分の組合費が必要な団体や、加入月数に応じて月割計算になる団体等、団体によって組合費の設定は異なります。

各種手数料

入会金、組合費以外に、各種手数料が発生する団体もあります。

たとえば、更新手続き時の更新手数料や労災事故の際の手続き費用、退会時の脱退手続き費用や組合証再発行手数料といったものです

詳細については、加入団体のHPなどで確認することをおすすめします。

保険料を払って得られる労災保険の特別加入のメリット

労災保険特別加入のメリット

万が一に備えるといえど、労災保険料の負担は小さくありません。

一人親方が労災保険に特別加入することで得られるメリットには、どのようなことがあるのでしょうか。主に次の3点です。それぞれについて説明します。

①災害発生時の治療費がかからない

仕事中、または現場に向かう途中に事故など災害に遭った場合、労災として認定されれば給付を受けることが可能です。

その場合、治療費は労災保険でカバーできます。ただし、治療を受ける病院によっては、認定されるまで治療費などを実費で支払う場合があるので注意が必要です

②災害後の生活が保障される

災害に遭い、仕事ができない場合でも休業補償給付を受けることができ、生活が保障されます。

医師の指示により療養していること、労務に従事できない状況であること、賃金の支給を受けていないことが条件です

③仕事を受注しやすくなる

元請会社の中には、作業中での災害によるトラブルを避けるため、一人親方へ発注する条件として、労災保険への特別加入を求めているケースがあります。

労災保険の特別加入をすることにより、仕事獲得の機会損失を防げる可能性があります

保険料を払う価値のある労災保険に特別加入しよう

一人親方の労災保険特別加入でかかる保険料について説明しました。

保険料の額は一人親方自身で決められ、社会保険料控除を受けることが可能です

保険料の負担は小さくありませんが、労災保険に特別加入するメリットとして、災害時の治療費がかからないことや、休業補償、仕事を受注しやすくなるという点は見過ごせません。

一人親方にとって、労災保険はメリットがたくさんある保険です。もしものために加入することをおすすめします。

監修者からメッセージ

一人親方労災保険組合 理事 古口仁

一人親方労災保険組合顧問覺正 寛治かくしょう かんじ

一人親方に安心安全を提供したい

静岡大学法経学科を修業後、1977年4月に労働省(現厚生労働省)入省。2002年に同省大臣官房地方課課長補佐(人事担当)、2004年に同省労働金庫業務室長を歴任し、2007年に同省鹿児島労働局長。退官後、公益財団法人国際人材育成機構の常務理事、中央労働金庫の審議役を経て、2017年4月に現職。

厚生労働省では「地下鉄サリン事件」「阪神淡路大震災」「単身赴任者の通勤災害」の労災認定や「過労死認定基準」の策定などを担当し、労災保険制度に明るい。一人親方労災保険組合顧問としては、一人親方が安心安全に働けるよう、これまで培った労災関係業務や安全衛生業務の経験を生かして労災保険特別加入制度の普及や災害防止活動に取り組んでいる。

一人親方労災保険組合の労災保険特別加入手続き対象地域

北海道北海道、青森
東北宮城、岩手、秋田、山形、福島
関東東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬、茨城、栃木、静岡、山梨
中部長野、新潟、富山、岐阜、愛知
北陸石川、福井
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